2010年 06月 21日
人形制作・作りかけ39
|
今日は目玉の話
わたしの作る頭(ここはひとつカシラと読んで欲しい)には、別素材の目玉が、はまった形になっています。
仏像彫刻などでは、顔の裏側から目の形のくぼみを彫って、そこに水晶などで作った目の玉をはめ込む技法がありまして、それはもう、ものすごくカッコいいのですが、
結論からいって、わたしのは違います。
「そんな面倒なことやってられるかよ、てか、難しくて出来ないよ」
であります。
だいたい水晶なんて、どこで手に入れるんだろ?
というわけで、ここではまっているのは、ビー玉です。一個5円くらい(笑)
ちなみにこの頭は焼き物で、ビー玉は粘土で成形の時に、最初から仕込んでしまいます。
で、そのまま焼くという・・・・・
ここで、ちょっとでも陶芸の知識があれば、「えっ、ガラス溶けちゃわないの?」
と思うわけです。
ええ、溶けないんですね。
なぜって、オーブン陶土というなんちゃって焼き物だからです。
この陶土、熱で土の組成が変って固くなるのではなくて、単に土に煉り込んである樹脂が固まるので、250度くらいで、余裕で焼けちゃいます。
なにしろオーブンですから。
で、とりあえずこれが現在のデフォルトになっています。
しかしまぁ、ビー玉もいいのですが、当然ながら、ビー玉にはビー玉の限界というものもあります。
ひとつは色の種類が限られていること、
もうひとつは瞳が表現できないこと、
ですね。
瞳がないのは、モディリアーニの肖像画みたいで、なかなか味なんですが、
たまにはモナリザの瞳みたいに、睨みつけられたいこともある。
・・・・そこで
どうしても瞳がほしい時は手描きになります。
こんな感じですね。
けれどこれが、技法的にあまりしっくり来ない。
なにせガラスの上に、絵の具をのせるんですからね。
専用のプライマーなんかを使っても、やっぱり不安定だったりします。
いつもごまかしごまかしやっているのですが、
エレガントじゃないんだよねぇ・・・・・・・。
そんなこんなで考えていたのですが、ぬいぐるみの材料には、ガラスの目玉というアイテムが存在するのですよ。
(もちろん瞳付き)
これ、使えるんじゃないでしょうか?
そこで、知り合いのテディベア作家さんに情報を頂いたりして、リサーチを続けているのですが、
ビー玉を使っている身からするとと、ぬいぐるみ用の目玉、あまりに種類が多く、何を買っていいのかわかんなくなっちゃうんですよ。
かといって、闇雲に買い集めるには、ちとお値段が張る・・・。
何しろ最高級のものになると、医療用の義眼と同じ製法なのだそうで・・・。
というわけで、ちょっと煮詰まっていたのですが、
先日ふと思いついたのです。
ちゃんとした焼き物(つまりオーブン陶土じゃない、本来の焼き物)で目を作れば、ビー玉同様に利用できるんじゃないか?
んでもって、昔の教え子で、陶芸をやっている子がいるから、
発注かけちゃえば、なんだろう、いろいろ細かいところもコミュニケーションがとれるんじゃないか?
ついでにガラスで作るより、量産が利きそうだから、意外と安いんじゃないか?
うんうん。なんだか知らないけど、これは行けそうな気がするぞ。
・・・・・・といういきさつで、先日試作品が届いたので、早速組み込んでみた頭と、その試作品がこちらです。
とりあえずの試作なので、形が微妙だったり、瞳が流れていたりしますが、
なんか、もう二回くらい試作すれば、使えそうな気がしております。
わたしの作品的にも、ちょっとゆるいくらいが使い勝手がいいかもしれないしね。
作らされている当人は、意外と面倒臭いことになっているのではないかと推察しますが、
上手くいったら、これでぬいぐるみ業界に逆進出・・・・・・ないか(笑)
わたしの作る頭(ここはひとつカシラと読んで欲しい)には、別素材の目玉が、はまった形になっています。
仏像彫刻などでは、顔の裏側から目の形のくぼみを彫って、そこに水晶などで作った目の玉をはめ込む技法がありまして、それはもう、ものすごくカッコいいのですが、
結論からいって、わたしのは違います。
「そんな面倒なことやってられるかよ、てか、難しくて出来ないよ」
であります。
だいたい水晶なんて、どこで手に入れるんだろ?
というわけで、ここではまっているのは、ビー玉です。一個5円くらい(笑)
ちなみにこの頭は焼き物で、ビー玉は粘土で成形の時に、最初から仕込んでしまいます。
で、そのまま焼くという・・・・・
ここで、ちょっとでも陶芸の知識があれば、「えっ、ガラス溶けちゃわないの?」
と思うわけです。
ええ、溶けないんですね。
なぜって、オーブン陶土というなんちゃって焼き物だからです。
この陶土、熱で土の組成が変って固くなるのではなくて、単に土に煉り込んである樹脂が固まるので、250度くらいで、余裕で焼けちゃいます。
なにしろオーブンですから。
で、とりあえずこれが現在のデフォルトになっています。
しかしまぁ、ビー玉もいいのですが、当然ながら、ビー玉にはビー玉の限界というものもあります。
ひとつは色の種類が限られていること、
もうひとつは瞳が表現できないこと、
ですね。
瞳がないのは、モディリアーニの肖像画みたいで、なかなか味なんですが、
たまにはモナリザの瞳みたいに、睨みつけられたいこともある。
・・・・そこで
どうしても瞳がほしい時は手描きになります。
こんな感じですね。
けれどこれが、技法的にあまりしっくり来ない。
なにせガラスの上に、絵の具をのせるんですからね。
専用のプライマーなんかを使っても、やっぱり不安定だったりします。
いつもごまかしごまかしやっているのですが、
エレガントじゃないんだよねぇ・・・・・・・。
そんなこんなで考えていたのですが、ぬいぐるみの材料には、ガラスの目玉というアイテムが存在するのですよ。
(もちろん瞳付き)
これ、使えるんじゃないでしょうか?
そこで、知り合いのテディベア作家さんに情報を頂いたりして、リサーチを続けているのですが、
ビー玉を使っている身からするとと、ぬいぐるみ用の目玉、あまりに種類が多く、何を買っていいのかわかんなくなっちゃうんですよ。
かといって、闇雲に買い集めるには、ちとお値段が張る・・・。
何しろ最高級のものになると、医療用の義眼と同じ製法なのだそうで・・・。
というわけで、ちょっと煮詰まっていたのですが、
先日ふと思いついたのです。
ちゃんとした焼き物(つまりオーブン陶土じゃない、本来の焼き物)で目を作れば、ビー玉同様に利用できるんじゃないか?
んでもって、昔の教え子で、陶芸をやっている子がいるから、
発注かけちゃえば、なんだろう、いろいろ細かいところもコミュニケーションがとれるんじゃないか?
ついでにガラスで作るより、量産が利きそうだから、意外と安いんじゃないか?
うんうん。なんだか知らないけど、これは行けそうな気がするぞ。
・・・・・・といういきさつで、先日試作品が届いたので、早速組み込んでみた頭と、その試作品がこちらです。
とりあえずの試作なので、形が微妙だったり、瞳が流れていたりしますが、
なんか、もう二回くらい試作すれば、使えそうな気がしております。
わたしの作品的にも、ちょっとゆるいくらいが使い勝手がいいかもしれないしね。
作らされている当人は、意外と面倒臭いことになっているのではないかと推察しますが、
上手くいったら、これでぬいぐるみ業界に逆進出・・・・・・ないか(笑)
by ta-gu-chi
| 2010-06-21 23:50
| 造形のこと
|
Comments(4)
Commented
by
しみっち
at 2010-06-22 06:43
x
小包誤配で気づかずに箱開けたりしたら、きっと叫んじゃいますね…
もちろん作者の意図で使い分けられるのでしょうが、
ビー玉の目って、あれ、村上勉さんのコロボックルの挿絵、あるいはいわさきちひろさんの描く子どもの瞳なぞ連想されて好きです。
もちろん作者の意図で使い分けられるのでしょうが、
ビー玉の目って、あれ、村上勉さんのコロボックルの挿絵、あるいはいわさきちひろさんの描く子どもの瞳なぞ連想されて好きです。
0
Commented
by
ta-gu-chi at 2010-06-22 21:59
Commented
by
ふじや
at 2010-06-25 20:48
x
話は聞いてましたが、想像していたのよりも目っぽくなってますね。これはいけるのでは・・・。ただ、やっぱり結構いろいろ大変みたいですよ(笑)。
Commented
by
ta-gu-chi at 2010-06-26 21:00